2019年の日本経済

2019.01.08発行 Vol.334
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今回のメルマガでは、今年の日本経済の見通しを説明したいと思います。皆さんもご承知のように、昨年終わりあたりから株価が乱高下を繰り返しながらの調整局面です。年初も大きく下げたかと思うと、米国の中央銀行であるFRBが利上げを当面停止するニュアンスの発言をすると大きく株価が上がりました。それだけ市場は神経質になっているとともに、先行きに自信がないという状況です。

昨年、2018年の日本経済を少し振り返りますと、1-3月は実質GDPはマイナス、4-6月はプラス、そして7-9月はマイナスという状況でした。2四半期連続で実質GDPがマイナスとなると一般的には景気後退とみなされるので、なんとか景気拡大をしているという状況です。景気の山や谷は、正式には政府が1年後くらいに判定するのですが、今月まで景気が拡大すると戦後最長の景気拡大ということになります。しかし、多くの人にその実感がないのは、成長率が低いことです。そして、そろそろこの景気拡大も終わりというところでしょう。

景気の先行きが見通しにくく、それにより株価が大きく調整しているわけですが、その大きな理由は、米中貿易摩擦にあります。中国経済は、2017年に約4200億ドル(約46兆円)という膨大な貿易黒字を稼いでいますが、そのうちの約3700億ドルが対米黒字ですから、米国が厳しめの中国政策を行えば、中国経済には大変大きな影響が出ます。米国経済にも輸入価格の上昇などで短期的にはマイナスの影響が出るでしょう。
日本経済は、中国での企業活動、輸出、そして訪日客などの面で大きく中国経済に依存しています。米国経済の動きにも同様に大きな影響を受けます。中国経済や米国経済の減速は、当然、日本経済にも大きな影響が出ます。欧州経済も、残念ながら、減速傾向です。そうした観点からは、2019年のわが国や世界経済には、結構厳しい見通しが必要でしょう。

そうした中で、10月には消費税増税が予定されており、これも景気には当然マイナスです。4月の統一地方選挙、7月の参議院選挙など政治日程も目白押しで、さらには、安倍首相は憲法改正を行いたいと考えています。
参議院選挙は衆議院議員の選挙基盤を使うことが多いので、与党としては、野党の参院選挙での統一候補を分断するためにも、衆参同一選挙を行う可能性があります。その際に景気悪化が鮮明になっていれば、消費税増税の延期もあり得ると私は考えています。あるいは、参院選挙前に増税延期の発表がなかったとしても、選挙後に、憲法改正の国民投票で賛成を得るために、景気次第では消費税増税延期はあると思います。そうすれば、増税なしで景気対策だけが行われるわけですから、景気にプラスの効果はあると考えられます。ただし、日銀の景気刺激策はすでに限界に達しており、金融面からの景気押し上げ効果は期待薄です。
いずれにしても、政治日程や政権の思惑も注目点ですが、経済的にはなかなか厳しい状況だと考えるべきでしょう。今年もよろしくお願いします。

【小宮 一慶】