21世紀のゴジラは気候変動か

2018.08.14発行 Vol.324
私が子供の頃にゴジラの映画が流行りました。最近でもハリウッド映画などでゴジラが登場することがあり、根強い人気を誇っています。ゴジラは、元々はアメリカの水爆実験で生まれた突然変異の生物で、映画は核実験への警鐘を鳴らす大きな意味合いもありました。

ところで、私は最近の気候変動の状況を見て、これは「21世紀のゴジラ」ではないかと懸念しています。最近でも広島、岡山、愛媛などに大きな被害をもたらした西日本豪雨や東から西に進む台風など、いままでには経験したことのないような災害がもたらされています。また、「酷暑」が続いており、日本でも気温が40度を超える地域が出る一方、今年の冬は東京でも大雪やこれまであまり経験したことのない低温を経験しました。気候が厳しくなっていることを肌で感じている人も多いと思います。
この状況は日本だけでなく、欧州などでも今年は酷暑で、世界中でも気候変動の影響を受けています。

この原因は、多くは地球温暖化にあると考えられます。日本は人口減少ですが、世界的には人口は増加を続けていることとともに、中国や東南アジア諸国は経済成長を続ける中で二酸化炭素の排出が進み、温暖化が進んでいるのです。
もちろん、世界中も手をこまぬいているわけではありません。多くの国々や地域、企業などは温暖化阻止の動きを行っており、化石燃料使用の削減や、そのための電気自動車化、再生可能エネルギーへの転換などを進めています。
しかし、個々の国々や企業だけでの対策では十分ではないので、地球規模での対策を講じようとしていますが、世界の4分の1近くのGDPを稼ぎ出すアメリカが、トランプ大統領就任により、パリ議定書からの脱退を表明するなど、温暖化に逆らうような動きもみられることが残念です。

今年は気候変動の影響を日本だけでなく、多くの国が受けていますが、残念ながらこれは一過性のものではなく、今後も続くのではないかと私は大変懸念しています。気候変動の影響は、当然のことながら経済活動にも影響を及ぼしますし、今年の豪雨や酷暑などは、経済だけでなく、人々の命や健康、生活にまで影響を及ぼしているのです。そして、これが今後も続くことを懸念しなければなりません。

ゴジラは、映画の中では最終的にはなんとか抑え込まれますが、気候変動という「21世紀のゴジラ」は、このままではなかなか退治できません。しかし、これも人間が生み出したものです。早急に地球規模でも企業、個人レベルでも対応しなければ、さらにこのゴジラが暴れまわることになるのではないでしょうか。


【小宮 一慶】