2013年に注目すべき景気指標

2013.01.08発行 Vol.190
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、円安、株高で2013年が始まりましたが、今年はどの景気指標に私が注目しているかを今回のメルマガではご紹介します。

 まず、安倍政権は「2%」のインフレターゲットを設定し、そのことで日本銀行に圧力をかけています。現状の「消費者物価上昇率(前年比)」は2012年11月の数字で「-0.1%」と物価が下落する状況となっています。これに関連して私が注目しているのは「輸入物価指数」です。こちらは11月で「+1.4%(速報値)」となっています。

 昨日の私のフェイスブックにも書きましたが、輸入物価が上昇して国内の消費者物価が上がるとすれば、それはいわゆる「コストプッシュ型」のインフレで、これでは国内のお金が海外に出て行くだけの「悪いインフレ」となってしまいます。円安が進んでいるので、輸入物価が上昇しやすくなっていることに注目が必要です。

 このことと関連して、物価上昇よりも高い「名目国内総生産」の成長率が達成できるかにも注目です。国内総生産は、国内で稼いだ付加価値の合計ですから、こちらが消費者物価よりも上がれば、国民の生活は豊かになるわけです。安倍内閣ではこの名目国内総生産の上昇目標を3%としていますが、インフレターゲットの方だけが注目されているのが私としては少し心配です。7-9月の名目国内総生産は年率で「マイナス3.6%」で、実額では約474兆円です。10-12月は、「鉱工業生産指数」や「消費支出2人以上世帯」の動きを見ていると、7-9月と大きく変わらず底ばいの状態が続くと考えられますが、米国経済の状況などにより2013年に入り反転することが期待できます。ただし、先ほども述べたように、消費者物価上昇率よりも高い状態が続くことが大切です。

 もうひとつ懸念しているのは「貿易収支」です。現状のままですと2012年度の輸出額は60兆円前後であるのに対し、輸入額は70兆円程度となりそうです。つまり、10兆円ほどの貿易赤字となるわけで、この分、お金が海外に流出します。もちろん名目国内総生産も押し下げます。円安に振れているせいで輸出は増加しやすいですが、それでも先ほど述べた輸入物価とも関係して輸入額も増えることとなります。各月の輸出入の数字(貿易収支)からは目が離せません。

 さらには、「企業倒産件数」にも私は注目しています。このところ月間1000件程度(年間1万2000件前後)とかなり低水準で推移していますが、このままでは3月末に「金融円滑化法」の期限切れを迎えます。企業の銀行からの借入れ返済を緩和するものですが、当初40万社が申請し、現状でも30万社程度が利用していると言われています。もし法律が期限切れを迎え、金融機関の対応にもよりますが、万一、申請企業の1割でも倒産すれば3万社ですから、これは結構大きなインパクトを日本経済や企業経営に与えかねません。法律延長の動向と、倒産件数には注意が必要です。

 海外に目を転じれば、今年の世界経済の牽引役となることが最も期待されている米国の「国内総生産」からも目が離せません。QE3(量的緩和第3弾)が実施されていますが、これは現状7.8%の失業率が6.5%になるまで続ける予定です。「新車販売台数」も年換算で1500万台程度に戻り、「住宅着工」も底上げ感が出てきていますが、先送りした「財政の崖」がどう決着するのかにも2月末にかけて世界中が注目するでしょう。中国経済は底を打ち、欧州経済は低迷を続けると予想されますが、アルゼンチン問題が注目され始めているように世界経済はいつも不安定要因を抱えています。景気指標の数字やニュースに気をつけながら、自身のビジネスに活かしていくことが大切ですね。今年も皆さんにとって良い年でありますように祈念しています。