2013年から2014年へ

2013.12.24発行 Vol.213
 今年も残すところあと1週間ほどとなりました。皆さんにとっては2013年は良い年だったでしょうか。今回は、2013年の日本経済を振り返った上で、2014年の注目点を説明します。

 前年12月に行われた総選挙で安倍内閣が発足し、今年はアベノミクスが始まりました。前年11月に80円程度だった円レートが、今年5月には月平均で100円を超える水準にまで円高修正が進みました。黒田日銀総裁による「異次元緩和」もあり、株高も進みました。5月下旬以降、調整局面もありましたが、東証の時価総額は昨年の安値から約180兆円増加しました。株式は富裕層が多く保有していますから、「資産効果」から百貨店では宝飾品や高級時計が前年比で20%程度売り上げが伸びました。

 また、公共事業も補正予算を含め10兆円程度執行中で、さらには、消費税増税前の駆け込み需要もあり、建設業も、人出不足が顕著になるほど好調な状況です。

 失業率も4%にまで改善し、有効求人倍率も1倍に近づいています。都市部などでは1倍を大きく超えるところもあります。企業業績も全体的には好調で、最近の日銀短観では、「飛行機の後輪(着地するときは最初だが、離陸するときは最後という意味)」と言われる中小企業の景況感もかなり改善されました。

 3月末までは駆け込み需要もあり、この景気が継続するものと考えられます。

 ただし、懸念材料もたくさんあります。一つは、いまだに一人あたりの平均賃金が全くと言って良いほど上がっていない点です。これでは、株高が止まったときに、持続的に景気が拡大することは望み薄です。せっかく上がりはじめた消費者物価も、上昇が止まってしまいます。政府が執拗にまで賃上げを経済界に要請するのはそのためです。

 さらには、円安により、輸入物価が上がり、毎月1兆円以上の貿易赤字が続いていることです。円安になっても輸出額が輸入額の伸びに届かないのが実情です。

 4月には、消費税が3%上がります。政府は消費税率上げによる景気低下に備えて、5兆円程の景気対策を行いますが、先ほども述べたように、このまま賃金の上昇がなければ、景気への影響は小さくありません。

 さらには、麻生財務大臣は来年7-9月のGDPを見て、2度目の消費税率上げを決定すると言っています。4-6月のGDPは、消費税率上げやその前の1-3月期の駆け込み需要もあり、大きく落ちることが考えられます。そのせいで、7-9月のGDPは高めに出る可能性が強く、それをベースに消費税率上げを決定するつもりだと私は考えています。

 消費者物価は現状、前年比で1%近くまで上昇しています。しかし、この先、前年比で見た場合には円安の影響が消えていくため、給与が上がらなければ来年春先あたりから、徐々に物価上昇率が低下すると考えられます。そうなれば、日銀は二度目の緩和策を行わなければならないと考えられます。

 米国の景気が比較的堅調なのが日本経済には好材料ですが、いずれにしてもこの先、給与が上がるかどうかが、2014年の日本経済を占う上で非常に大きなポイントです。

 今年も皆さんには大変お世話になりました。良い年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。