菅内閣がやるべきこと

2020.09.23発行 Vol.375
新しい内閣が誕生しました。7年9カ月に及んだ安倍政権を継ぐもので、難題山積ですが、ぜひ国民の期待に応えていただきたいものです。
今回のメルマガでは、私が考える菅内閣の優先課題について述べたいと思います。
まず何といっても一番は、新型コロナウイルス対策です。第2波もようやく落ち着いてきているようですが、まだまだ安心できる状況ではありません。そうした中、経済もわずかずつですが回復をしていますが、こちらも十分ではありません。4-6月の実質GDPが年率でマイナス28.1%という空前の落ち込みをしました。実額を表す名目GDPは年換算で505兆円と、ピークから50兆円以上落ちました。名目GDPは給与の源泉ですから、これは大変な状況です。
「Go Toトラベル」により、各地のホテルも宿泊客が増えており、先の4連休も人出があったようですが、4-6月では、90%以上の落ち込みをした旅行業にとっては、まだまだ十分な回復とは言えません。飲食業やイベント業も大変な状況で、感染の状況と横にらみで「Go Toイート」などの施策を機動的に展開する必要があります。コロナ対応の西村大臣が留任し、厚生労働大臣だった加藤氏が官房長官という布陣で臨んでいますが、感染再拡大が予断を許さない中での感染防止と経済との両立はとてもかじ取りが難しいのは容易に想像ができます。
コロナに次いで期待したいのは、規制緩和です。河野太郎氏が担当大臣になりました。先ほど、日本の名目GDPが505兆円と述べましたが、これはアベノミクスが本格的に動き出した2013年度の507兆円とほぼ同じです。そして、注意しなければならないのは、この数字は1990年代と変わらないということです。この国は、ここ30年間ほど、経済成長から見放されているのです。米国はこの間、3倍以上に経済を拡大しました。中国は10倍以上です。
そこで必要なことは規制緩和です。菅内閣では「官庁の縦割り排除」を行うことを前面に出していますが、官僚は大きな抵抗勢力で、それを打破できるかに注目です。さらには、与党内部を仕切れるかも焦点です。自民党議員は規制緩和には、総論賛成・各論反対の人が多いのです。なぜなら、彼らは既得権益の代表者が多く、個別の業界に切り込む際に、非常に大きな抵抗勢力となるからです。携帯電話の値下げなど、国民に分かりやすい政策も掲げていますが、国全体での規制緩和も必要です。
財政も何とかしなければならない問題です。名目GDP比で250%を超え、先進国中ダントツ1位の財政赤字を抱え、また、これも先進国中ダントツ1位の28.7%という高齢化率を誇る日本の社会保障の問題と相まって、待ったなしの改革が必要なことは言うまでもありません。
発足時の支持率も高く、手堅そうに見える菅内閣の手腕に期待したいものです。
【小宮 一慶】
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