良い会社とか悪い会社はない、あるのは良い社長と悪い社長である

2010.06.08発行 Vol.128
 今回のタイトルは、経営コンサルタントの一倉定先生の言葉です。会社には、良い会社、悪い会社があるのではなく、良い社長か悪い社長かで会社の命運が決まってしまうということをおっしゃったのです。

 菅新内閣が発足しますが、私は、このところの歴代の内閣を見て、一倉先生の言葉を思い出さずにはいられませんでした。というのも、小泉首相から交代した後の3人の首相(安倍、福田、麻生各首相)時代、そして、鳩山政権においても、自民党時代も民主党時代も与党は衆議院では圧倒的な多数の議席を持っていました。自民党の3人の首相は、小泉首相時代の「郵政選挙」で獲得した議席を持っており、ご存じのように民主党鳩山政権は、300議席を超える議席を衆議院で持ちながら、政権運営はうまくいきませんでした。

 つまり、いくら議席を持っていても、リーダーがしっかりしているかどうかが、政権を上手に運営していけるかの最大の鍵であるということがよく分かりました。リーダーがしっかりしていなければ、国民が望む結果は出せず、当然、政権は安定しないのです。これは企業経営者でも全く同じです。

 リーダーがしっかりしているとは、リーダーとしての「正しい」考え方を持ち、かつそれが「ぶれない」でいられるかどうかということです。手練手管や数合わせのバランス感覚だけではリーダーは務まりません。ましてや難題山積の日本国の首相はそう簡単には務まるものではありません。よほどの信念、それも正しい信念とリーダーシップがなければ務まりません。

 現状の日本は、厳しい状況にあることは間違いありません。短期的には世界同時不況からようやく抜け出しつつある現状ですが、主要国の中で唯一デフレから脱却できないでいます。いまだに、名目GDPの5%強の約25兆円の需要不足を抱えているからです。雇用の状況も思わしくありません。

 政治的には、沖縄の基地問題、北朝鮮、高速道路、ダムの問題、郵政再国有化、来年度以降の子ども手当、年金・医療、それらの財源など、問題が山積です。

 中長期的には、ギリシャなど足下にも及ばないくらいの世界有数の財政赤字を抱えている上に、少子高齢化もあり経済成長が鈍化しています。このままではさらに鈍化せざるを得ません。生産人口が減少し続けるからです。その中で、所得の二極分化が大きく進み、貧困率(所得の中央値の半分以下しか所得のない世帯の比率)が15.7%にも達しています。

 米国の大統領選では、選挙前の1年間くらいは各党の候補者のことが、徹底的に国民の目にさらされます。共和党の副大統領候補だったペイリン女史のメガネのフレームが日本製だったことまで話題に上りました。日本でも、首相になる候補者が、もう少し長い期間、国民から注目されて批評にさらされた上で首相候補になる方が良いのではないかと思っています。反対も多いでしょうが首相公選制を検討しても良いのではないでしょうか。いずれにしても、今は、菅首相に期待するしかないでしょうが。