米中経済に期待したい今年の日本経済だが問題も山積

2012.01.10発行 Vol.166
 新しい年が始まりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。今年第1回目のメルマガは、経済をテーマにします。短期的なことと中長期の日本経済についてです。

 数ヶ月前の状況と違い、今年前半の日本経済には少し明るさが見えます。ひとつは、東日本大震災の復興に向けての補正予算が本格的に執行されはじめたことです。これまで約18兆円の補正予算が国会で承認されていますが、東北、北関東中心にお金が使われはじめており、それが他地域の建設・建材関連の企業などに波及しはじめています。

 さらには、これまで回復が鈍かった米国経済にも少し明るさが見えています。まだまだ本調子ではありませんが、失業率も徐々に改善し、8%台半ばまで落ちました。新車販売台数も年換算で1300万台ペースにまで戻しています。住宅市況はまだまだ低迷しており、家計のバランスシート調整も遅れてはいますが、世界の約4分の1のGDPを稼ぎ出す米国経済が少し立ち直りの兆しを見せていることは日本経済にとってもプラスに働きます。

 また、昨年夏までは6%を超すインフレで、経済成長を鈍化させざるを得なかった中国経済も、インフレ率が4%台にまで低下したことで、今年は成長路線に舵を切れそうです。長い間インフレ対策のために引き締め気味だった金融政策も、昨年暮れに、久々に預金準備率の引き下げを行うなど成長路線に転換しているとみられます。中国政府としては7%台の経済成長を目標とするとしていますが、地方で住宅市況が悪化していることや今年は政権交代があることを考えると、安定的成長に重きを置くものと考えられます。日本の最大の輸出先である中国の景気が日本に大きな影響を及ぼすことは言うまでもありませんので、中国の成長に期待したいところです。

 欧州危機は予断を許しません。年初から独仏首脳が会談するなど、緊張が続いています。イタリアが破綻すると、世界経済に大きな影響があることは必至ですが、期待も込めて、世界中が何とか知恵を出して乗り切れるのではないかと思っています。当社の新春未来セミナーに来られるお客さまにはこれらの状況を景気指標を使って詳しくお話しいたします。

 短期的には、少し明るさも見える日本経済ですが、中長期的には課題が山積です。野田内閣は消費税や所得税、法人税の増税を打ち出してはいますが、それでも財政赤字は高齢化の進展もあり増える一方です。また、輸入物価の上昇やLNG輸入急増などもあり、貿易収支が赤字傾向で、数年後には貿易・サービス収支に所得収支を加味した経常収支も赤字になるのではないかという予想も出ています。そうした中、円高の影響もあり、国内産業の空洞化は益々進んでおり、これは国内の雇用や税収の減少をもたらします。

 中長期的な課題の抜本的な解決策が見いだせない強い閉塞感の中にいる日本経済ですが、政治は安定しません。強力なリーダーシップに期待したいところですが、増税の前にやるべき公務員改革がままならないどころか、下げるはずだった国家公務員の冬のボーナスは、火事場泥棒のように増額しました。政策課題も政争の具と化す恐れもあり、野田政権や民主党政権もこのままではいつまでもつかも分かりません。

 こうした状況においても、私たち企業人は、お客さまや社会に対して良い商品やサービスを適正価格で提供することを本分としなければならないことは言うまでもありません。そして、私たちの子供や孫たちのために日本の将来を考え、より良い政治を築くために大いに政治にも関心を持ち、将来の日本を本当に良くする政権を選ばなければなりません。

 この国日本や皆さまにとって2012年が良い年になることを心より祈っています。