私が新入社員研修でいつもお話すること

2017.04.25発行 Vol.293
東京では桜の季節が終わりましたが、今年も何カ所かの新入社員研修でお話をさせていただく機会がありました。新入社員さんを見ていると、何年経っても、いつも自分の新入社員時代を思い出すものです。

私は、新入社員研修で必ず話すことがいくつかあります。ひとつは、次のような話です。

新入社員さんの中には、第一希望の会社に就職できなかった人も少なからずいるはずです。また、希望した会社であっても、希望した部署に配属されなかった人も多くいるでしょう。そういう人に対しては、「とにかく一生懸命働きなさい」ということを言います。私は、10人ほどの小さな会社の経営者をしており、ときどき人を採用することがありますが、その際に、「前の会社は自分に合わなかったので、適当に働いていた」という人と、「自分に合わない職場だったが、目いっぱい頑張りました」という人とでは、どちらを採用したいかは明らかです。また、同様に、「自分の好まない部署に配属されたから適当にやっています」という人を、「かわいそうだから次は、希望する陽の当たる場所に異動させてやろう」などと考える上司はいません。意に沿わない部署でも一生懸命働いているからこそ、次はもっと良い部署に配属させようとするのが上司の普通の考えです。

若い人だけではありませんが、自分のことしか見えていない人が少なくありません。相手の立場に立てば簡単に分かることを、相手の立場に立てず、自分本位に考え行動してしまうのです。さらに言えば、相手の評価を別にしても、とにかく一生懸命働くことが大切なのです。一生懸命働くのが大切な理由は、若いころに身についた習慣は一生続くからです。そういった点では、学生時代から何かに一生懸命になっておくことも大切ですね。

もうひとつ新入社員研修で必ず話すことは、「毎月2つの目標を立ててください」ということです。ひとつは、「仕事上の目標」です。本を読むとか、会社のことをより深く理解するためにホームページや会社案内を勉強するだとか、なんでもかまいません。自分の仕事の能力を高めるための目標です。

もうひとつは「プライベートの目標」です。仕事は自分の自己実現を果たすうえでとても大切なものですが、仕事だけが人生ではありません。プライベートを充実させることも大切です。そして、そのことに関連して、「今月のプライベートの目標は、初めてのお給料をもらったら、ご両親やお世話になった人に、小さなものでもいいからプレゼントするということを目標にしてください」ということを私は必ずお願いするようにしています。私にはもう両親はいませんが、新入社員の頃、研修中でかつ遠隔地にいたこともあって、初任給からのプレゼントをしなかったことをこの年になってもずっと後悔しているからです。

新入社員さんたちの将来に幸多かれと願うばかりです。

【小宮 一慶】