減点主義より得点主義

2016.07.26発行 Vol.275
 今、多くの人の名言を私が解説するという『そろそろ、何かしなくちゃ。ポジティブに生きる100の言葉』(秀和システム)という本を仕上げています。ドラえもんや浜崎あゆみ、マドンナなど、普段は名言の対象になりにくい人も含めて100人の名言を取り上げています。成功している多くの人たちに共通しているのは、「前向き、利他心、反省」だと私は思っています。今回のメルマガでは、その本で取り上げている名言から2つをご紹介したいと思います。

 ひとつ目は阪神タイガースや東北楽天イーグルスの監督を勤めた星野仙一さんの、「減点主義より、得点主義をとる」という言葉です。とかく人の欠点を見がちですが、チームや社会に貢献するのは長所です。松下幸之助さんも同様のことをおっしゃっています。ビジネスの世界でも同じで、長所をうまく使ったチーム作りと、凡庸なところを寄せ集めただけのチームでは、同じ人たちでも結果が違うのは明らかです。個々の長所を集めて、短所を皆でカバーするくらいの気持ちでチーム作りをすることが大切です。それが、チーム力というものだと思います。そのためには、リーダーは、常に人の長所を見るクセを持つことが必要です。

 もうひとつの名言は、日本で最初にノーベル賞を獲得した湯川秀樹博士の「取り返しのつかない大きな失敗をしたくないなら、早い段階での失敗を恐れてはならない」という言葉です。挑戦をすると、もちろん失敗することも少なくありません。しかし、その失敗を糧にして、次の成功をつかむことも少なくないのです。失敗を恐れて、挑戦を回避していると、結局どこかで大きなチャレンジをしなくてはいけなくなり、そこで失敗すると大失敗になります。そして、その場合、失敗した経験を持っていませんから、その大失敗についても改善の方法を見いだせないかもしれません。

 前向きに挑戦することで、ときには小さな失敗をする。失敗した場合には反省をし、それを糧に新たな挑戦をし、最後には大きな成功をつかむことが大切ではないでしょうか。

 日本電産の永守さんは、部下が小さな失敗をした時にはとても厳しく叱るそうです。そこで厳しく叱っておかないと、後になって大きな失敗をして、場合によっては大切な部下が辞めてしまうことにもなりかねないからだと言います。小さな失敗により、大きな失敗になる芽を摘んでしまおうということなのです。

 今日、この本のゲラを編集者に戻します。8月下旬には出版予定ですので、ぜひ多くの方の名言を参考にし、成功する生き方のバックボーンを築いていただきたいと思います。


【小宮 一慶】