消費税の1%を災害対策税に

2020.07.28発行 Vol.371
新型コロナウイルスが再び国内でも拡大しておりとても心配です。政府は「第2波」という言葉を使いませんが、その言葉を使うと「第1波」のときのように、「休業要請」を行わざるをえなくなり、保障が必要になりますが、財政事情がとても厳しい中、できればそれを避けたいという思惑があるのでしょう。また、来年に延期された東京オリンピックが開催されるかどうかという判断を行う時期も迫っており、政府としては、感染拡大のイメージを国内外にも見せたくないという思惑もあるのでしょう。
経営コンサルタントの私としては、一部のお客さまが疲弊されているのを目の当たりにして、経済活動の活発化を望んではいますが、感染拡大、ましてや感染爆発を望んでいないことは当然です。これまでのように大雑把にアクセルとブレーキを踏む、それも同時に踏むのではなく、地域・業種、場合によっては店ごとなど、ターゲットを絞った休業要請・指示をきちんとやるとともに、安全対策をガイドラインに従いきちんとやっている事業所、とくに、飲食やホテル、イベント等に関しては、そちらは営業を促していいのではないかと考えています。もちろん、在宅勤務などで問題のない企業には、それを強力に行うことも大切です。大切なのは、メリハリだと思います。
一方、ウイルス問題とは別に、今年も熊本県などを中心に大変な水害が起こりました。毎年のように水害をはじめ、大きな災害が起こっており、おそらくこのままでは、今後も同じような状況が続くと考えるべきでしょう。そうした際に、自治体および個人が、災害に備えるのはもちろんのこと、災害が起こった後の対応もとても重要になってきます。
もちろん、各自治体や国は、そのときに取りうる限りの方策を取っていると思います。また、多くのボランティアの方も復旧に携わってくれています。私は、このことに加えて、しっかりした災害復旧の財源を持つべきだと考えています。
具体的には、消費税の1%を「災害対策税」とすべきだと考えています。消費税1%は2.5兆円から2.7兆円程度ですが、それを毎年災害復旧のために使用するのです。災害がこれだけ大規模に、かつ、それがいつ、どこで起こるかが分からないという状況では「保険」が必要です。しかし、各人や各企業が、そのような保険に入るのはなかなか難しいと思います。そこで保険の意味で消費税の1%を毎年それに充てるのです。
もちろん、それで足りない年もあるでしょうから、その時は政府は予備費などから財源を確保する必要が生じます。一方、幸いにも災害が少ない年には、それを貯めておけばいいと思います。もちろん、消費税を上げて財源を確保するには、大きな議論を呼ぶと思いますが、「保険」に入ると考えると国民の理解も得やすいのではないでしょうか。だれもが、災害のリスクを抱えているわけですからね。
いずれにしても、コロナウイルスや大きな災害など、これまでになかったことを含めて私たちは経験していますが、皆で知恵を出して乗り切りたいものです。
【小宮 一慶】
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