海外視察の目的

2018.10.23発行 Vol.329

先週、毎年行っているお客さまとの海外視察セミナーを行いました。今年は、バンクーバーとシアトルでした。私にとって、海外視察セミナーには二つの目的があります。
ひとつは、新しいものを見ること。シアトルでは、アマゾン、ボーイング、マイクロソフトなどを訪問しましたが、皆さんもご存知のようにAmazon Goでは、
レジのない無人のコンビニがありました。多くのカメラを使って、だれが何をどれだけ取ったかが分かる仕組みで、お店を出たら自動的にクレジットカードで決済されます。まだシステム的には完璧でないようで、私たちのお客さまでも多くついていたり、少なくついていたりというようなことがありました。しかし、新しい取り組みはとても興味を引くものでした。日本でもJR東日本の構内のコンビニで無人化が進むという話を聞きましたが、レジや店舗の無人化が進んでいくと考えられます。
ボーイングでは、最先端の飛行機の製造過程を見ることができました。設計などではもちろんコンピュータが駆使されていますが、今でも組立工程は手作業が多いとのことです。ただし、今後はどんどんロボットを活用するという話を聞きました。
ひとつ驚いたのは、アマゾンやマイクロソフトで働く人は、ジーンズにパーカーのような恰好が普通で、シアトル市内ではスーツ姿の人を見かけることはめったになかったことです。日本でもクールビスは定着していますが、今後は、スーツにネクタイというビジネスマンの定番も徐々に崩れていくかもしれませんね。
もうひとつの私にとっての海外視察の目的は、自分が持っている経営の「原理原則」が正しいかどうかを見極めるためです。私にとって皆さんにお教えする原理原則はどの会社にも通用するものでなければなりません。
幸い、経営コンサルタントとして、450名ほどの会員さんがいらっしゃり、個人的には6社の社外役員、5社の顧問をしています。社外役員をしている会社では、2社は売上高が1千億円を超えている一方、売上高数億円という会社もあります。兆円単位での売上げの日本企業で仕事をさせてもらうこともあります。どんな規模の会社でも通用するのが「原理原則」なのですが、それでも兆円単位での売上げの海外企業を直接見る機会というのは、それほどありません。そうしたことを視察や見学というものが補ってくれるのです。
今回感じたことは、生き残る、勝ち残る企業というのは、「圧倒的に差別化された商品やサービス」を持っているということです。「お客さま第一」の根幹は「商品やサービス」だということは何度も皆さんにお話してきましたが、それをさらに痛感しました。皆さんの会社も「圧倒的に差別化された商品やサービス」を目指してくださいね。それには、経営者の断固とした決意と、働く人の基礎力(思考力と実行力)を高めなければならないことは言うまでもありません。

【小宮 一慶】