民主党代表選後には総選挙を

2011.08.23発行 Vol.157
 近々、民主党代表選が行われる予定になっていますが、私は、首相が替わってそれほど経たない時期に総選挙を行うべきだと思っています。

 皆さんもご存じのように日本は大きな危機と転換期を迎えています。3月11日の東日本大震災は、東北、北関東に大きな被害と心の傷を残しましたが、それをきっかけに、もともと進んでいた産業空洞化や財政赤字増加が加速しそうです。昨今の円高は、いっそう企業の海外進出を加速させます。企業の海外進出は、国内での雇用の減少、法人税や所得税などの税収の減少をもたらし、さらに財政を悪化させます。

 さらには、人口の高齢化も加速度的に進んでいます。今年あたりからは、団塊の世代の方たちが65歳以上の高齢者となっていきますが、医療や年金の社会保障費増加に加え、現役を退くことにより、所得税や住民税の減少、さらには、貯蓄の取り崩しによる貯蓄率の低下も懸念されます。5年後あたりには日本の貯蓄率がマイナスになるという意見もあります。

 こうした中、首相が替わるわけですが、中長期的なこの国のあるべき姿を含めたしっかりとした政策論議をしてもらいたいものです。この際、私は、各党が、エネルギー政策、増税の可否も含めた財政政策、今後の福祉政策、さらには外交問題などに関してはっきりとした意見を出し、総選挙を行うべきだと考えています。民主党が先の総選挙で公約したマニフェストも何が何だか分からない状況になっています。国民からは政権は何を目指して、何を行おうとしているのが全く見えませんし、政権自体も何をしているのかが分からないのでしょう。おそらく、次の政権もこのままでは、同じ状況に陥る危険性があります。

 震災で被災地が大変なので総選挙を行うべきではないという意見があるのも私は十分承知しています。しかし、震災からもう5ヶ月が過ぎています。選挙ができないということはないと思います。戸籍や選挙関係の書類をなくした市町村も少なくないと思いますが、それでも選挙はやれます。私は93年の国連主導でのカンボジアでの総選挙に選挙監視員として立ち会いましたが、この選挙では戸籍どころか選挙人名簿を作るところから選挙を行ったのです。

 さらに、中長期的には、小選挙区制の問題や議院内閣制も十分に機能しているかどうかを検証しなければなりません。この何代かは首相になってみなければ、その任に堪えるかどうかが分からなかったという状況が続きましたが、これはわが国にとって大変不幸なことでした。そうした意味で首相公選制も含めた議論が必要ですが、早急の課題としては、先ほども述べた、エネルギー政策、財政、福祉などに関して、国のあり方をはっきりさせるためにも近いうちに総選挙を行うべきだと考えます。