森友学園問題に思う

2017.03.28発行 Vol.291
森友学園問題が世間を大きく賑わしています。先日23日の籠池前理事長の衆参両院での証人喚問で、政府としては決着させたかったのでしょうが、むしろ、問題がさらに拡大の様相を見せています。今回のメルマガでは、私の感想や疑問に感じている点を述べたいと思います。

まず、証人喚問ですが、政府自民党がなぜ偽証罪で籠池氏を告発しないのかが不思議です。政府側としては「密室で2人きりの状態で100万円を首相夫人が籠池氏に手渡したことは立証しづらい」としています。確かに、密室での金銭の授受については証明が難しいと思いますが、「2人きりで部屋に入ったかどうか」の事実を争うことはできるはずです。首相夫人にはその際2人の秘書が同行していたとのことで、森友学園側の人もいたはずです。まず、その事実から籠池氏を追求すればいいのではないかと私は考えています。「籠池氏は大ウソつき」と政権幹部は語っていますが、なぜ、偽証罪で追及しないのか、もし、それが不可能としても、籠池氏が嘘つきと言うなら、首相夫人の証人、あるいは参考人としての招致はできるはずです。日経新聞の世論調査を見ても、この問題に関する政府側の説明に74%の人は「納得できない」としています。

また、籠池氏は「刑事訴追の恐れがあるのでコメントできない」とした、大阪府に提出した書類に3種類の建設費の記載がある問題で、なぜ、取り調べや刑事訴追が速やかに大阪府警や地検特捜部から行われないのでしょうか。

おそらく、これらの状況を考えれば、政権側にも腹の内を探られたくない事情があると思われても仕方がありません。

首相夫人の100万円に関しては、首相や夫人と籠池氏との間で深いかかわりがなかったというこれまでの首相側の主張が覆されるのがいやということかもしれませんが、夫人が100万円をもらったのではなく、渡したのですから、道義上の問題はあっても法律上の問題はないはずです。「忖度(そんたく)」という言葉が新聞などを賑わしていますが、官僚が忖度したことも、政治家の口利きや賄賂などの問題がないのなら、法律的に責任を問えるかどうかは難しいところです。こうして考えれば、何か政権側にも探られたくない事情があると思わざるを得ません。しかし、このままでは、問題は長期化するだけでしょう。

ところで、証人喚問と言えば、私くらいの年齢になると、「ロッキード事件」や「ダグラス・グラマン事件」での証人喚問を思い出します。政財界の大物が証人喚問され、その大物たちの緊張ぶりがテレビ画面からも伺えたものですが、今回の籠池氏は証言の場では、なぜかとても落ち着いていたと私は思いました。ロッキード事件やダグラス・グラマン事件の証人に比べて、籠池氏は、はっきり言って「小物」のはずです。彼は、大嘘つきかもしれませんが、何を目論んでいるかは、政権与党にとっても不気味かもしれません。首相大好きだった籠池氏が、首相に「ふられた」ことで逆上しているのかもしれませんが、やましいところがないなら政権側も正々堂々と取り組んでほしいものです。

【小宮 一慶】