月間目標を立てる

2015.04.28発行 Vol.245
 先週は出張が多く、松本、那覇、名古屋、会津若松に講演に行きました。また、東京でも何カ所か講演をしました。私が講演する際によくお話しするのが、「仕事で自己実現する」ということです。

 自己実現とは、「なりたい自分になる」ということですが、その大前提として「なれる最高の自分」を目指すことが大切だとお話しします。トップアスリートやノーベル賞を受賞される方など、一流と呼ばれる人たちは、ギリギリのところで勝負しています。先日、アイススケートをテレビで観ていたら、羽生結弦選手が4回転ジャンプを残念ながら失敗しました。彼なら3回転なら失敗しないでしょうが、あえて4回転に挑むのは、ライバルたちも強力で、ギリギリまで挑戦しないと試合に勝てないからでしょう。

 トップアスリートに限らず、一流と言われる人は、常にギリギリまで全力を出して勝負しているのだと思います。そうして常に「なれる最高の自分」を目指しているので、仕事での自己実現も可能になっているのだと思います。私たちも、自分の得意な分野で「なれる最高の自分」を目指していると、いつかは一流になれると思います。

 その際に大切なことは、目標をもつことです。漠然と努力を続けているだけでは、ある程度の実力は伸びるでしょうが、一流に到達することができるかは分かりません。「4回転ジャンプをしたい」と思うから4回転が飛べるように努力し、それが叶うのではないでしょうか。私はよく「散歩のついでに富士山に登った人はいない」とお話ししますが、どこに行きたいか、何になりたいかを決めることが大切です。ソフトバンクの孫社長は「まず、登る山を決めろ」とおっしゃいますが、同じことです。自分の目指すものを明確にイメージすることです。

 その際に大切なことは、「前向き」でいることです。批評ばかりしている評論家では何も達成できません。後ろ向きに出来ない理由を考えるのではなく、前向きにやれる理由を考えて、それに向かって進んでいくことが大切です。そして、実績を出すことです。実績を出さないと、自分のやる気もなくしますし、そのうち誰も話を聞いてくれなくなります。偉そうなことを言っていても、実績が出ないと「あなたこそ頑張れよ」ということにもなりかねません。

 実績を出すのにお薦めなのは「月間目標」を立てることです。毎月1日に月間目標を立てるのです。仕事上の目標とプライベートの目標の2つを立てます。仕事上の目標では、仕事を深めるための勉強の目標を立てます。「〇〇の本を読む」や「△△さんの話を聞く」などです。どんな仕事にも必ず深いところがあり、それを勉強することで、仕事がさらに深まり、面白くなってきます。マニュアル全盛の時代ですから、深みを知らなくても表面上の仕事はこなせるかもしれませんが、深みを勉強することで、他の人とも差別化できます。そして、地位が上がれば上がるほどマニュアルはありませんから、深みを勉強しておく習慣が役に立つのです。

 プライベートの目標では、趣味のことなどの目標を立てます。仕事ばかりが人生ではありませんから、仕事もプライベートもしっかり充実させることが大切です。いずれにしても、目標を立て、それを忘れずにそれに向かって少しずつでも進んでいくことが「なれる最高の自分」になるためには必要なことで、そのためには月間目標がお薦めです。(宣伝で恐縮ですが、私がアレンジしている『小宮一慶 ビジネスマン手帳』(ディスカヴァー21)には、毎月1日のところに「月間目標を立てる」と印刷してあり、目標の立て忘れがないように工夫されています。9月になると来年版が出る予定ですので、ぜひご活用ください。)