書くということ

2013.10.08発行 Vol.208
 書くことを苦手にする人も少なくないと聞きます。私は、経営コンサルタントのかたわら物書きも仕事にしていますので、書くということについては比較的慣れています。今回は、自分ながらに得た、「書くコツ」を説明したいと思います。

 元々は物書きをするつもりはなかったのですが、カンボジアにPKOでボランティアに行ったことがきっかけで本を書きはじめ、次に出る本で97冊目になります。連載も月に10本程度抱えており、毎日のように物書きをしています。「よくそんなに書けますね」と言われますが、ちょっとしたポイントをつかめば、誰でもそれなりの文章は書けるようになると私は思っています。

 まず、大切なのは、「テーマ」です。テーマが決まり、そこで何を伝えたいかが決まれば、大きな山場は越えたも同然です。後はそれを文章にするだけです。

 その文章にするのが難しいと言われる方もいるかもしれませんが、私の場合、話すように書くことにしています。皆さんは、話すときにはそれほど文脈や文法を意識して話していない、つまり、頭の中に浮かんだことを、そのまま口から言葉にしているのではないでしょうか。書くのもそれと同じで、私の場合、頭の中に浮かんだことを、そのまま指先から文章にしているのです。ですから、私は「普通に人と話せる人は必ず書ける」と思っています。

 とにかく、思ったことを書いてみることです。その際には「起承転結」は一切考えません。書くことの良い点は、何度でも推敲できることです。その際の注意点は、「バリュー」と「インパクト」です。これは話すことでも同じですが、相手にとって「価値」のあることを書く、そしてそれを相手に伝わりやすくするために、たとえば、表現を柔らかくするとか、文章の順序を変えるなどして、あるいは、表現を少し奇抜なものにして「インパクト」を出すのです。

 難しい表現を使う人もいますが、私の場合には、難しい言葉が浮かんだ場合でも、あえて平易な言葉にすることが多いです。たとえば「考察する」という言葉が頭に浮かんだ場合でも、「考える」としたほうが良い場合も少なくありません。あとは、推敲によって文章をできるだけ短くします。長い文章になると、読んでいる方が混乱することも少なくないからです。ちょっとした気づかいをすることで、読みやすく、読み手にすっと入っていく文章となります。

 あとは、慣れだと思います。フェイスブックやブログをされている方も少なくないでしょうが、そういう場で、自分の考えを正確に書く練習をするのです。話す時も同じで、思っていることがきれいに表現できない時もあるでしょうが、何度も書いているうちに、文章の腕は上がってきます。そのためには、慣れとともに、上手い人の文章を読むことも大切です。私の場合には、移動中に、雑誌や本を読むことが多いのですが、その際にも、短い文章でもプロの方のエッセイをできるだけたくさん読むようにしています。読んでいて楽しいとともに、文章表現なども勉強になるからです。

 たくさん書いているうちに、あまり推敲しなくても良い文章が書けるようになります。そうなればしめたもの。おそらく、話し方もとても上手になっているはずです。短い文章で、相手の心に伝わる話し方ができているはずです。

 この文章が皆さんの参考になればとてもうれしく思います。