普天間の問題はどうなってしまったのか

2010.11.24発行 Vol.139
 今年も勤労感謝の日を前に、沖縄へ研修に来ました。毎年この時期に研修をする団体があり、そこに呼ばれたからです。研修は恩納村のムーンビーチというところで行われました。実はそこに行くリムジンバスを那覇空港で待つ間に、ベンチに座り一本別のメルマガを書いたのですが、リムジンバスに乗って那覇市内や高速道路を走っている間に、このテーマについて書きたくなったので、今回はこのメルマガにしました。今は、ムーンビーチでこの文章を書いています。

 沖縄は今、知事選を行っています。民主党は候補を立てられなかったということです。鳩山元首相が普天間問題で迷走を繰り返し、沖縄に混乱をもたらし沖縄県民の気持ちを踏みにじったからです。そして、その後、普天間の問題はニュースで大きく取り上げられることはなくなりました。私たちの視界からは残念ながら消え去りつつあります。しかし、こうして沖縄に来てみると、基地の問題は歴然と存在しています。危険な普天間基地もそのまま存在しているのです。そして解決の目途は全く立っていません。リーダーの無責任かつ思慮のない言動が、その後にどれだけ多くの人の生活に影響していることでしょうか。

  沖縄の基地問題は、このままにしておいてよい問題ではありません。それは、わが国の防衛上の観点からも、そして沖縄県民の負担という観点からもそうです。

  鳩山氏がむちゃくちゃにしたのは沖縄だけの問題ではありません。普天間の問題で日米間に隙間ができたのに付け込むかのように、尖閣諸島では中国漁船と日本の海上保安庁の巡視船との衝突事件が起こり、日中関係に大きな亀裂が生じました。その直後には、ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問が行われ、ロシアとの関係もぎくしゃくし始めました。鳩山氏の配慮の足りない言動のせいで、日本が不利な立場に追いやられたのです。

  菅内閣も迷走を始めました。法務大臣というよりは国会議員としてあってはならない国会を軽視する発言をした大臣が辞任しましたが、自衛隊を「暴力装置」と自らの本音をつい言ってしまった官房長官、思慮と知慮の足りないタレント女性大臣など、大変心配な状況です。しかし、鳩山氏をはじめ彼らを選んだのは私たちです。子は親の鏡と言いますが、政治家は国民の鏡だと言えます。しっかりと政治家を見極める能力を持たなければ、それでなくとも将来の厳しいわが国はさらに大変になると沖縄に来てつくづく思いました。

  沖縄に来れば、この地が第二次大戦中に地上戦に巻き込まれ多くの尊い命が失われたということを思い起こさずにはいられません。戦争で犠牲になられた方たちの無念を思うと心が痛みます。そして、その尊い犠牲の上に現在の私たちの生活が成り立っています。また、現在の沖縄県民の多大な負担の上に、私たちの平和が守られているとことも忘れてはならないと思います。そして、この平和も決して盤石ではないことは、今回のいくつかの事件を見ても明らかです。自然に平和が存在しているのではないのです。