日本年金機構の業務を民間保険会社に委託すべし

2015.06.09発行 Vol.248
 皆さんもご存じのように、私たちの年金データ125万件が漏洩しました。今のところ125万件ということですが、実際のところは分かりません。もちろん、データを盗んだ人間が一番悪いのですが、ずさんなデータ管理がこの問題の根幹であることも間違いありません。旧社会保険庁の時代にも、「失われた年金データ」で大問題となり、その後、社保庁が解体され、現在の年金機構となったわけですが、体質だけはそのまま引き継いだとしか言いようがありません。

 この問題が、この秋から導入が予定されているマイナンバーにも影響を及ぼすことは必至です。私は個人的にはマイナンバー制度導入には賛成ですが、データが完全に保護されているということが大前提で、それが確保されるまでは、マイナンバー導入延期もやむなしでしょう。マイナンバーでは、税金、医療、銀行口座番号なども一元的に管理される予定ですから、それらのデータが盗まれるということになれば、今回の年金機構の問題の比ではないからです。

 いずれにしても、日本年金機構がこのまま国民の大切な年金データを管理するには、不安がいっぱいです。多くの企業を見てきましたが、会社には「体質」というものがあります。組織のかたちを変えたところで、働いている人が同じなら、なかなかそう簡単には内情は変わらないのです。ある人が、働く会社や部署が変わったからと言って、簡単にそれまでの働き方が変わらないのと同じです。なかなか人は変わらないのです。

 いまどき、民間企業、とくに大企業では、重要データが、個人のパソコンで見ることができるなどということはありません。会社のパソコンでも、顧客データの閲覧などは厳しく制限されています。もちろん、パソコンへのダウンロードなどもってのほかですし、システム的にもそれができないようにしているところがほとんどです。そこまでしても、100%とは言い切れませんが、それでも出来うる限りの万全の態勢をとっています。それに関連して、職員の教育も徹底して行われています。

 このままの状況で日本年金機構に大切な国民の年金データの管理を任せるのには限界があると私は考えます。この際、民間保険会社などの金融機関にデータ管理を委託してはどうでしょうか?別にデータ管理を、政府の息のかかった機関、それも、十分に管理能力のない機関にやらせておく意味も必要もないと思います。運用はGPIFが行うにしても、事務処理なら、それに長けたところが行う方が安全ですし、場合によっては、大幅なコスト削減もできるのではないでしょうか?

 いずれにしても、日本年金機構は、早急に事件の詳細を明らかにするとともに、システムを設計運用している会社名を公表し、政府としてはその会社にマイナンバーのシステム委託がされないようにするべきです。さらには、機構業務の民間委託など、根本的な問題解決策を考えるべきです。