新幹線に乗って思うこと

2014.07.08発行 Vol.226
 私の秘書の年末行事のひとつに、その年、私がどれくらい新幹線と飛行機に乗ったかを勘定するというのがあります。一区間を一回として、昨年は133回新幹線に乗ったとのことです。(ちなみに飛行機は59回。)今日もこの原稿を、大阪に行くのぞみの中で書いています。もうこういう生活を15年以上続けていますから、おそらく、2000回近く新幹線に乗ったと思います。       

 ここ1年くらいは新幹線に外国人観光客が増えたと思っています。円安の影響でしょうか。グリーン車も以前よりは混んでいると思います。こちらは、企業業績が良くなったからでしょう。来年には、長野から先に新幹線が延伸し、北陸地方もさらに便利になります。新幹線は、まさに日本の大動脈となっています。よく聞かれる質問に「大阪に行くのに新幹線と飛行機とどちらが良いですか」という質問ですがドアトゥードアで30分ほど飛行機のほうが早いのですが、忙しいときや疲れているときは新幹線を私は選びます。車中で仕事をしたり休んだりできるからです。飛行機は飛んでいる時間が45分ほどしかありませんから、仕事も休養も大阪まででは十分にできないのです。どちらも一長一短がありますね。微妙なのは、広島や岡山に行くときで、空港が市街地まで遠いので、仕事が駅の近くなら新幹線にします。福岡に行くときは、ほぼ100%飛行機です。福岡空港ほど都心まで便利な空港はないからです。        

 個人的にも思い出がたくさんあります。皆さんも新幹線に思い出のある方も少なくないと思います。少し、私の思い出を述べさせてください。初めて新幹線に乗ったのは、昭和40年、私が小学校2年生の夏休みでした。その前年の昭和39年の東京オリンピック開催に合わせて、その年の10月1日に東海道新幹線が開業したので、まだ、新大阪―東京間を4時間かけて走っていました。父が出張の際に一緒に連れて行ってくれたのですが、その当時、大阪府堺市の私が通っていた小学校で新幹線に乗った子供はほとんどおらず、結構、自慢の種でした。その後、家族旅行や修学旅行などで何年かに一度たまに乗る新幹線でしたが、とにかくウキウキしたことだけ覚えています。

  ひとりで初めて新幹線に乗ったのは、大学4年生の夏でした。就活で東京にも行ってみようと思い、乗ったときです。今でもよく覚えているのが、一番古い0系に乗ったのですが、新大阪駅を出てすぐの加速のすごさと、東京駅のホームに着慣れないスーツを着て、不安の入り混じった気持ちで降り立ったときの涼しさでした。昭和55年の夏は、東京は冷夏だったのです。悲しい思い出もありますが、私の人生の重要な多くのシーンに新幹線が必ずと言っていいほど登場します。  

  これまで、さまざまなことを考えながら新幹線に乗ってきました。私のビジネスマンとしてのキャリアももうしばらく続くと思いますので、新幹線にもこれからもかなりの回数乗り続けると思います。ときどき、新幹線の車中で思うのは、いつ最後に乗るかということです。突然、人生が終わることもあるので、いつが最後かは神様以外正確には分かりませんが、引退を控えた時期や、体力が落ちた時などにこれだけお世話になった新幹線に乗るときには、どんな気持ちで乗るのかなと考えます。

  10年ほど前に『新幹線から経済が見える』(実業之日本社)を出しました。数年前に改定し文庫化(祥伝社)しましたが、また、いつか新幹線の本を出せればと思っています。それまで元気に過ごしたいものです。