新入社員に贈る言葉

2018.04.10発行 Vol.316
今年も、新入社員を迎える季節となり、当社主催のセミナーも含め、仕事柄、いくつかの新入社員研修で講演をしました。そのときに必ずお話することがいくつかあります。

ひとつは、自分の本当に志望していた会社に入れなかった人や、志望した会社に入っても自分の希望する部署に配属されなかった人へのお話です。そうした場合に、くさってしまって、適当に数年間過ごして次のチャンスを待つのか、それとも、自分の希望する職場でなくても、精一杯努力するかをよく考えて欲しいのです。後に転職するにしても、「希望する会社でなかったから適当に仕事をしていました」という人と、「希望する会社でなかったけれども、精一杯頑張ってきました」という人とでは、転職先企業の採用担当者はどちらを選びたいかは明らかです。希望する部署でなかった人も同様で、上司の立場からすると、適当に働いている人と、希望部署でないけれども一生懸命がんばっている人を比べたら、次の異動でどちらを花形部署に就けたいかは明らかなはずです。つまり、今の自分のことだけを考えるのではなく、相手の気持ちから見たらどちらが望ましいかということを考えるべきだということです。もちろん、これは将来の自分から考えるのも同じことです。

同様に、「幸せと成功の違い」についてもお話します。私は「幸せ」というのは、自分で決めることだと思っています。どんなにしんどい状況でも、自分を幸せと思える人は幸せなのです。一方、「成功」は他人が決めることだと思っています。自分で成功していると思っていても、周りの人や世間が評価していなければ成功ではないのです。そして、なぜ成功を目指さなければならないかも新入社員に説明します。それは、成功は、他人の評価だから、周りの人や社会が「すごい」と思うほどに良い影響を与えているからです。周りの人や社会に貢献しているということです。もちろん、一番良いのは成功して幸せになることです。

さらには、「仕事で自己実現をして欲しい」ということをお話します。自己実現とは、なりたい自分になるということもありますが、私はその大前提を「なれる最高の自分」になろうとすることだと思っています。新入社員でなかなか、なれる最高の自分ということを考えるのは難しいと思います。しかし、毎日目の前の仕事を精一杯こなしているうちに、なれる最高の自分になるための素地が育っていくのだと思います。

このことと関連して「一人前と一流は違う」というお話もします。新入社員のうちは半人前ですが、どこかの時点で一人前になります。今は、先輩を見たらまぶしい存在でしょうが、いつかはそのレベルにある程度は達するのです。しかし、それは「一人前」にしかすぎません。一人前と一流とは違うのです。一人前になると、周りはなにも文句は言いません。しかし、そこが落とし穴なのです。半人前だった時の必死さを一人前になっても持ち続けられる人が一流になるのです。

最後に、初任給をもらったら、必ずご両親やお世話になった人に小さなものでもいいのでプレゼントしてくださいともお願いします。
新入社員には少し難しい話もありますが、社会人としてのスタートラインで、自分のあるべき姿を考えてもらえればと思ってお話しています。彼らが成功し幸せになることを心から願っています。

【小宮 一慶】