新しい日本のあり方を決める内閣を選挙で選ぶべきとき

2011.05.17発行 Vol.0
 大震災後2ヶ月が経ち、新たな日本再興に向けて本格的に乗り出さなければならない時期がきています。震災で大きな被害を被ったことは非常に残念なことですが、これを機に新しい日本を作るきっかけとしなければなりません。

 残念ながら、日本はこの大震災とは関係なく、高齢化の進展、先進国中最悪の財政赤字など大きな問題を抱えています。そして、以前のメルマガなどでも書いたように、このまま手をこまぬいていれば、企業の海外進出にともなう国内産業の空洞化、財政破綻などが、大震災をきっかけにますます加速すると私は懸念しています。

 もちろん、震災復興に全力を尽くさなければならないことはいうまでもありません。短期的な復興プラン、そして福島第1原発の放射能漏れを止めることは、とにかく最優先で行うべきことで、政府は早急にその実行をしなければなりません。

 しかし、その後の大きな枠組みは現政権で決めるべきことではないと思います。国民の信任を得ている政権が行うべきことです。5月16日付の読売新聞では30%の支持しか現内閣は得ていないのです。

 浜岡原発が稼働を停止しました。菅首相の「英断」という向きもありますが、私はそうとは思っていません。今年の夏はそれでなくとも電力不足が懸念されています。もちろん、主に電力が不足するのは東京電力と東北電力管内ですが、一部の企業は生産を東北や関東から中部圏、関西圏などに一時的に移転することで電力不足に対応しようとしていました。

 浜岡原発が危険な位置に立地していることは理解できますが、この夏までにその辺りに大地震が発生する確率はどれくらいあるのでしょうか。さらにその地震が浜岡原発に福島第一と同じように致命的な打撃を与える確率はどれくらいなのでしょうか。

 もちろん、この決断は、確率論だけでなく、この夏の電力不足が産業界に与える影響や、さらにはこの先のこの国のエネルギー政策全般を考えた上で決断すべきことです。思いつきで決められたのではたまったものではありません。一方で、政府は既存原発の継続と現在建設中の原発の稼働をすると表明しています。これこそ十分議論を重ねた上で民意を反映すべきことではないでしょうか。

 東電の賠償に関しても、安易に国民負担をするべきではありません。その前に、まず、株主、そして次に債権者に責任を問うべきです。これは資本主義の大原則です。各電力会社に負担を求めるのも、国民負担と同じです。電気を使わない家庭はほとんどないからです。これも十分に議論されているとはとても言えません。

 さらには、復興にあたっても、将来の産業政策や農業、漁業政策、文教政策などさまざまなことを考えて決定していかなければなりません。それを、現政権が担うべきではないと私は考えます。

 震災後のこの時期に「政局」議論を行うべきではないという意見もありますが、これは本質を見誤った議論です。この時期こそ、各政党が復興プランとともに、エネルギー政策や産業政策、財政問題、ひいてはこの国のあるべき姿を前面に出して大論争をやるべきではないでしょうか。

 国民からの支持もそれほどなく、十分な議論を行わない現政権に大きな決断をさせるべきではないと考えます。短期的な復興プランや原発被災者への当面の補償がまとまったら、新たな政権を選ぶべく総選挙をすることが望ましいと考えます。