散歩のついでに富士山に登った人はいないが・・・

2011.01.25発行 Vol.143
 講演などでよく「散歩のついでに富士山に登った人はいない」というお話をします。目的や目標をしっかり定めないと、必死に目の前のことをやっていても、思ったところには到達しないという意味です。

  3月期決算の会社ではそろそろ来期の計画を立て始めている頃だと思います。もちろん「散歩のついで」には目標を達成することができませんが、目標の立て方がお客さま本位になっているかどうかを確認する必要があります。多くの会社が売上高や利益の目標計画を立てます。それ自体は悪いことではありません。そして、その「数字」を達成するために、どのような戦略を立てればよいかを考えます。

  一見して、それは悪いことではないように思えるかもしれませんが、お客さまが求めているのは、会社の売上高や利益ではありません。そんなことはお客さまにとって関心のないことです。お客さまが求めているのは、ふさわしい商品やサービスです。もう少し詳しく言うと、自分が求めるQuality(品質)、Price(価格)、Service(サービス)の組み合わせです。ですから、企業としては、目標設定においてお客さまが望む商品やサービスのレベルの目標が必要なのです。そして、その際には、お客さまは大抵の場合、他社とのQ、P、Sの組み合わせと比較して、自社か他社かを選びますから、ライバル社の商品やサービス、価格を徹底的に研究した上で、自社の商品やサービスを来期中にどのレベルまで高めるのかということを「目標」として設定しなければなりません。そして、その結果どこまで売上高や利益を伸ばすことができるのかということを考えなければなりません。

  その際に、利益がしっかり出ることも大切です。それは、企業は社会からヒト、モノ、カネ、などの資源を預っているのですからそれにふさわしい利益が必要です。さらに、利益は「企業の延命」、「未来投資」、「働く人の待遇改善」、「株主への還元」、「税などを通じての社会還元」の原資で、利益がなければそれらを提供することができません。利益は言わば、自社や働く人、社会を良くするためのコストと言えるからです。

  そのためには、商品やサービスの目標だけでなく、ムダをなくす目標も必要です。生産性の目標です。また、利益を生まない事業から利益を生む事業へのヒト、モノ、カネなどの資源の再配分の目標が必要になります。

  これらの目標を設定するためには、お客さまやライバル社の状況など自社の外部を取り巻く環境(外部環境)と、自社内部の資源などの状況(内部環境)を定期的に分析することが必要になります。

  当社の2月のグアムセミナーにご参加のお客さまは、これらのことを念頭に置き、お客さま志向での自社商品やサービスなどの目標の設定をし、その目標を達成するための戦略を立てていただきたいと思います。