急激に悪化しつつある日本経済、米国経済

2020.04.14発行 Vol.364
前回のメルマガでもお伝えしましたが、その頃にも増して新型コロナウイルスの影響で日本経済が急速に悪化しています。悪化の傾向がさらに顕著になっています。下手をすれば、奈落の底に落ちてしまうような状況です。もちろん、政府も助成金や融資制度の拡充を急いでいますが、今のようなスピードでは不十分なことは明らかです。また、感染収束後を見据えての「商品券」などの景気対策も考えているようですが、感染が収束しない限りは、景気の浮揚策はそこまで後ろ伸ばしが続くということです。
IMFのゲオルギエバ専務理事は「2020年の世界経済は大恐慌以来のマイナス成長になる」とまで言っています。日本経済もかなり「危ない」状況です。
内閣府によって調査されている「景気ウォッチャー調査」にもその傾向が表れています。タクシーの運転手、小売店の店頭販売員、中小企業経営者など、経済の最前線にいて、景気を肌で感じている人たちへの調査です。50が良くなっているか悪くなっているかの基準です。
最近発表された3月調査では、なんと14.2まで下がっています。リーマンショック直後の2008年12月の19.0や東日本大震災直後の2011年4月の23.9を大きく下回る数字となっています。比較可能な2002年1月以来最低の数字です。
昨年10月の消費税増税で落ち込み、今年に入って悪いながらも少し持ち直す兆しが見えたところで、今回のウイルスショックで急激に悪化したと言えます。
少し怖くなるのは、3月の調査を始めたのが3月25日ころということです。コロナウイルスの感染者が都内で40名を超えた時期ですが、その後、緊急事態宣言が4月7日に出され、自粛ムードがさらに助長しました。5月の連休明けまでこの状態が続くとなると、4月の「景気ウォッチャー調査」では、さらに厳しい内容となることが予想されます。
4月1日に入り発表された「日銀短観」の3月調査も同様です。
米国ではニューヨークを中心に感染爆発が起こっています。感染者数は50万人を超え、死者数も1万9千人近くになっています(4月11日現在)。もうこうなると経済どころではありません。リーマンショックを超える経済対策をトランプ大統領は打ち出していますが、経済がどこで下げ止まるかは不明です。
世界中を驚かせたのは、4月3日に発表された雇用に関する3月の統計です。一時帰休が比較的容易にできることもあり、とくに、「非農業部門雇用増減数」は米国経済のリアルタイムでの状況に敏感に反応するので世界中のエコノミストたちが注目しています。
この3月の数字はなんとマイナス70万人です。米国の経済が順調なら、だいたいこの数字は毎月15万人から20万人の増加です。このところ、年に200万人から300万人の増加で、今年に入っても、1月、2月は各月20万人以上の増加でした。この頃までは、米国経済は、比較的堅調に拡大していたのです。
それが、ここにきて、突然70万人の減少です。雇用の減少は2010年9月以来のことです。10数万人の減少を市場は予想していましたが、衝撃を与えるほどの雇用数の減少です。失業率も前月の3.5%から一気に4.4%となりました。
失業保険の申請が4月4日までの1週間で660万件ありました。その前の週は、史上最多の686万件でした。先ほどの衝撃を与えた数字は3月のものですが、失業保険の申請数を考えれば、5月初旬に出る4月の数字を見るのは、とても恐ろしいような気がします。
現状、新型コロナウイルスの感染が日米ともに収束に向かわない限り、経済の回復は厳しいと言えます。

【小宮 一慶】
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