大義名分のないアベノミクス解散でどう投票すればよいのか

2014.11.25発行 Vol.235
 衆議院が解散され来月14日に総選挙となりました。2四半期連続でGDPがマイナスとあり、経済の状況が悪く、来年10月に予定されていた消費税率の再引き上げを延期し、そのことの是非を問うための選挙、と首相は当初はしていました。しかし、今ではアベノミクスの是非を問うということもメインテーマとなり、安倍首相は「アベノミクス解散」と自身で銘打っています。しかし、私は大義のない解散だと思っています。解散の名目は何でもよく、女性閣僚連続辞任などによる政権の不安定さから逃れ、自身の政権を強化するのが目的でしょう。アベノミクスは「異次元緩和」という、副作用がとても大きなカンフル剤により株価の上昇をもたらしましたが、「成長戦略」が成功しない限り、本物の経済回復はありません。アベノミクス解散というなら、本物の成長戦略の見極めが必要なのですが、十分なものはいまだに見当たりません。

 もちろん、解散は首相の専権ですから、党利党略、私利私欲で行ってもかまわないのですが、それでは国民を愚弄しているとしか言いようがありません。首相は野党のダメな状況を見て、今の時期がベストの選択だと考えたのでしょう。

 このままの状況では日本の政治はますます国民感情からかけ離れたものになるのではないでしょうか。絶対多数をもった与党が党利党略で解散を行う一方、野党は政権を担える能力は全くありません。民主党が政権を担った時期に日本経済は悲惨な状況となりました。そして何よりもひどかったのは「マニフェスト」という言葉を、政権を取るための「嘘」と同義にしてしまったことです。政権奪取のためなら、国民に耳触りの良いことを何でも並べ立て、結局は何もやらなかったことは許せることではありません。また、鳩山首相が、巨額の「子ども手当」をもらった上に脱税していたことや、菅首相の福島原発事故時でのあきれた対応など、あの程度のリーダーしかいない党が政権をとった悲劇を日本人はきつく味わいました。さらには、離合集散を繰り返す他の野党などは批評する気にもなれないレベルです。

 そのような野党の状況を知り抜いての解散ですが、安倍首相にも大義はありません。2四半期連続のGDPのマイナスは消費税率上げの判断を誤った結果です。経済運営の失敗は解散の原因でなく、辞任の理由のはずです。そもそも、解散を行うのなら、「集団的自衛権」などもっと大きな国民全体で議論すべき問題を前面に出しても良いはずです。そのような問題をうやむやに過ごすのは良くないことです。

 このような状況ですから、どの党に投票すれば良いかを迷っておられる方も少なくないと思います。正直私も迷っています。いっそのこと投票に行かないという方もいらっしゃいますが、それでは政治は良くなりません。私は、今回は党ではなく、「人」を見て決めようと思っています。人を見極めるのはとても難しいですが、できるだけ立派な人を選ぼうと思っています。