営業車の自動ブレーキと自動運転車

2016.03.08発行 Vol.266
 このところ、運転者の病気や過失による大きな自動車事故が相次いでいます。
先日も大阪の梅田で心臓疾患を急に発症した運転者が、歩行者に突っ込み大事故
となりました。あの場所は、私も毎日放送に行くときによく通るので、とてもび
っくりしました。また、大学生のスキー客を乗せた大型バスが大事故を起こし、
多くの若い命が犠牲になったことも記憶に新しいことです。本人やご家族の無念
さを思うと、私もとても悲しい気分になります。

 私はこういう事故が起こるたびに、なぜ、自動ブレーキがついていないのかと
考えます。今では、レーダーやカメラを利用して、自動的にブレーキがかかるシ
ステムがついた車が多く販売されています。その装置がついていれば、ここで述
べた事故は防げたと思います。少なくとも事故は小さく済んだと考えられます。

 最低でもタクシーやトラックなどの、毎日の走行距離の長い営業車に、自動ブ
レーキの装着を義務付けるべきだと私は考えています。もちろん、費用は掛かり
ますが、軽自動車にも装着車があるくらいですから、それほど高くないと思いま
す。人命に比べれば、とても安いものですし、それが着いている車の場合には、
事故が確実に減りますから、保険料や事故対応が軽減され、メリットのほうが多
いと考えます。

 一方、トヨタやホンダ、日産などは、2020年までに自動運転車を完成させ
るとしています。東京オリンピックで、会場間や会場から羽田、成田空港までを
自動運転で移動するタクシーを考えているベンチャー企業もあります。レーダー
とカメラで、数百メートルの範囲で前後左右の車や人の動きを感知し、さらには、
地図システムとセットで自動運転が可能になるそうです。もちろん、これにはコ
ンピュータ、とくにAI(人工知能)の発達も大きく関与しています。

 車の自動運転が可能になれば、タクシーや運送などの業界だけでなく、世の中
が大ききく変わる可能性があります。高齢者、とくに過疎地域での高齢者の大き
な問題は「移動」ですが、その問題も解決するでしょう。もちろん、事故も大幅
に減ることは間違いありません。2020年あたりから自動運転車が普及しはじ
めれば、2030年ころには、世の中が大きく変わっているかもしれませんね。

 自動運転機能が故障して事故が起こった場合などの法律問題など、まだ解決し
なければならなないことはたくさんあると思いますが、早く自動運転車やその法
整備が完成して欲しいものです。少なくとも、営業車の自動ブレーキ機能は早急
に法制化して欲しいと願っています。

【小宮 一慶】