作業効率を上げるには

2013.02.12発行 Vol.192
 昨年4月から読売新聞で毎週火曜日に「小宮一慶の仕事力入門」というコーナーを連載しています。主に就活生と若いビジネスマン向けの文章ですが、次回で45回目の掲載となります。今年3月末までで、残すところも少なくなりました。先週の掲載で「作業効率を上げる整理術」ということを書きましたので、今日はそのことを少し詳しく書きます。

 私は、普通のビジネスマンよりも多くのアウトプットを出していると思いますが、自分で言うのも変ですが、あまり器用なほうではありません。周りからはてきぱきと仕事をこなしているように見えますが、実はそうではないのです。ゴルフ場で着替えをする時などは、たいてい私が一番遅いのです。そのことを自分ではよく認識しているので、アウトプットを多く出すために気をつけていることがあるのです。

 まずは、段取りと準備です。先にできることは先にしておくのです。たとえば、このメルマガ原稿はだいたい1500字程度ですが、普段なら20分前後で書き上げます。そのためには、書く前に何を書くかをあらかじめ決めています。PCの前に座ってから何を書こうかと考えることはまずありません。先にテーマと、あらかたの内容を決めてから書き始めます。そうすれば、作業効率が格段に違います。会社に行くときも、着く前に、決まったスケジュール以外に今日は何をするか(to do)をあらかた決めてから会社に行っています。

 さらには、作業を始めるまでの時間を極力短くするために、作業をしやすい状態にしておきます。机の上をあらかた片づけておく、場合によっては、前の日の終わりに、次の日の作業のための資料を机の上にあらかじめ出しておくなどです。仕事の遅い人を見ていると、仕事そのものが遅いというよりも、取りかかるまでの時間が多くかかっていることも少なくありません。その「抵抗感」を少なくしておくのも一つのコツです。午後の時間帯などで、仕事に疲れて作業効率が落ちる時などは、本のサインなどの単調な作業をするか、机の周りの片づけなどをします。

 私の場合、人に頼むことも作業効率を良くする大きな方法となっています。幸い、秘書やスタッフがいますから、自分以外でもやれる仕事は極力人に任せます。移動の予約やアポイントを入れることなどは私より秘書のほうがずっと上手ですし、正確で気配りもできます。資料を集めるなども頼んだほうが良い場合がほとんどです。そして、自分しかできない仕事に集中します。こう言うと、自分には部下がいないという方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは、部下を持てるようになるまで頑張るしかありません。部下がいる人は、自分が楽をするということではなく、部下に任せるべき仕事は任せて、自分しかできない仕事に集中し、目一杯それを行うことです。

 さらには、健康も大切です。体調が悪いと仕事がはかどりません。私は夜更かしは極力しません。11時過ぎには眠るようにしています。その代り、朝は早く起きて、頭の調子の良い時間帯に、フル活動するようにしています。私は調子の良い時間帯を「スターの時間」と呼んでいますが、その時間帯に難しい意思決定などを行うようにしています。そのためにも、体調維持は欠かせません。それほど体力があるほうではないですし、病気もしたことがあるので、極力身体に無理をさせないようにしています。そのためにも、夜更かしはしないようにしています。

 もうひとつ、ネットやテレビなどを見ていると意外と時間を取られるものです。フェイスブックなどで親しい人の動向を見ているとどうしても時間が過ぎてしまいますね。しかし、それらもある程度の時間を限ることが必要です。

 いずれにしても、人に与えられている24時間はだれにでも同じですから、極力それをうまく使いたいものですね。