何ごとにも一歩踏み込む

2011.06.28発行 Vol.153
 後継者を育てる通年のゼミも今年で8期生となります。また、コンサルタント養成講座も今年は5期生を迎えています。両方のセミナーへの参加者には、日経新聞を毎日読んで、そこで気づいたことをメモすることを行ってもらっています。専用の日記帳を差し上げ、日経新聞を読んで毎日気づいたことを書き、セミナーに集まったときに発表してもらっています。

 このメルマガ読者の中には、日経新聞を読んでいる人は多いと思いますが、メモしている方は少ないのではないかと思います。メモするという「一歩踏み込む」ことが、実は新聞の「読め方」(読み方ではない)を格段に進歩させる大きな違いとなります。

 一日、一日はわずかな違いでしかないと思いますが、読んでいるつもりになっている人と、読んでメモしている人とでは、それを何年も続けていると大きな違いとなるのです。ちょっとした「一歩の踏み込み」をやるかやらないかで実力の上がり方は格段に違います。

 これは何も日経新聞の読み方に限ったことではありません。部下との接し方、家族や恋人との付き合い方でも同じです。たとえば、皆さんは部下の報告を受けるときにメモをとっているでしょうか。上司や先生の話のメモをとるのは当然ですが、部下の話にメモをとっている人はそれほど多くないと思います。これも一歩踏み込むということです。わざわざあえてやらなくともよいことをやることです。私たちは、お客さまの成功を手助けするコーチですが、実は、この一歩の踏み込み方をお教えしているのではないかと私は思っています。

 一歩の踏み込み方をお教えすることはできますが、踏み込むことができるかどうかは皆さん次第です。そして、もうひとつ大切なことは一歩踏み込んでそれを続けられるかどうかです。後継ゼミやコンサル養成講座の卒業生でも、新聞のメモを続けられる人と、そうでない人がいます。セミナーに参加中は続くのに、セミナーが終わると続かなくなる人がいるのは、私としてはすごく残念なのです。やはり、義務感でやっている人は続かないのです。1年間だけでなく、やはり続けないと効果は十分にはでません。本物というのは一朝一夕では身に付かないのです。「紙一重の積み重ね」が必要です。

 もうひとつ大切なことがあります。それは、「偏見をもたない」ということです。セミナーに初参加するまでに日経新聞を読んでいた人も、一回も読んだこともなかった人もいますが、実はセミナー参加後1年が経って、すごく進歩するのはそれまで日経新聞を読んだことのないほうの人が多いのです。なまじそれまで日経新聞を読んでいた人は、何か読めていたような気になっている人も少なくないと思います。セミナーでは、ときどき、私がその日の日経新聞を読んで、いかに彼らが読めていないかということを分かってもらうのですが、それでも「自己流」の読み方にこだわる人もいるのが事実です。まったくの素人のほうが進歩が早いかもしれません。それは変な偏見やこだわりがないからでしょう。こう言って、自分で日経新聞が読めていると思っている私が一番危ないかもしれませんね。いずれにしても、謙虚さや素直さが大切で、それをベースに一歩踏み込むことが大切だとつくづく思います。