ベトナム雑感

2010.04.13発行 Vol.124
3月末に息子とベトナムに行ってきました。期末は毎年、お客さまが忙しく、コンサルタントの私は比較的時間が取れるので、休暇を取ることにしています。

ベトナムは17年ぶりだったのですが、もちろん、以前とは全く違った様子でした。今回はホーチミンに行ったのですが、前回に訪問したときには、ホーチミンの比較的まともなホテルは、サイゴン川に浮かぶ「サイゴン・フローティングホテル」だけでした。オーストラリアにあったホテルを大きなはしけに乗せ、そのまま持ってきてサイゴン川に係留していたものです。それが、今回の訪問では市内には高級ホテルがたくさん建っており、高層ビルも建設中のものがたくさんありました。

中国にもこの1年半ほどの間に3回ほど行きましたが、ベトナムの方が社会主義的雰囲気は「ゆるい」という感じがしました。中国では駅などでもセキュリティが非常に厳しく、多民族国家で、辺境で暴動が頻発しているという事情がありますが、ベトナムではそんな雰囲気はほとんどありませんでした。

17年前に訪問したときには、ハノイとホーチミンを訪問したのですが、当時のハノイは本当に社会主義国といった感じで、当時でもホーチミンに来たときには、気候の違いもありますが、明るく、自由という雰囲気でした。今回はホーチミンだけでしたが、より自由ということを感じました。

ホーチミンの市街地だけでなく、郊外に行ってもバイクの洪水で、ホーチミンでは800万人の市民に対して、400万台のバイクがあるということで、こちらでは二人乗りが標準なので、全員がバイクに乗っているという計算になります。

勉強になったこともありました。クチという、ベトナム戦争当時の地下トンネルを使って、大規模なゲリラ戦を行ったところを見学に行きました。ホーチミンから100キロもないところで、北ベトナムと南ベトナムが戦っていたというよりは、南ベトナムでも大規模なゲリラ戦がかなり長い間続いており、南ベトナム政権の基盤が非常に弱いものであったこと。米軍も北爆だけでなく、17度線以南の旧南ベトナム地域でもかなりの戦闘を展開していたことがよく分かりました。また、戦争博物館などを見ると、やはり、戦争の悲惨さを感じざるをえません。

メコンデルタの町にも出かけましたが、今年はじめ、ベトナムで初めて完成した高速道路を通って行きました。今後も高速道路網はどんどん広がっていくと思いますが、高層建築物の建設現場などとともに、経済発展を感じさせます。また、広大なメコンデルタでは米の三期作が行われ、ベトナムはタイに次いで世界第2位の米の輸出国です。豊かな農作物に恵まれていることも、外貨を稼ぐという観点や生活の豊かさからも経済発展に有利です。

ベトナムでは、手先の器用さもあり、安価で良質な手工芸品も豊富にありましたが、大学の経済学部で学ぶ息子に、「なぜ、これだけ貿易や交流がさかんな現在社会において、先進国と商品の価格差があるか分かる?」という質問をしましたが、経済発展とも大きく関係するこの質問の答えは分かりますか。(ヒントは、もうすぐ中国はできなくなる可能性のあることです。)