ニューヨークの市街地再開発の成功

2012.10.23発行 Vol.185
 毎年この時期にはお客さまと海外研修ツアーを行っています。今年は5年ぶりに米国東海岸を訪問しました。ボストン、ニューハンプシャー州ハノーバー、そしてニューヨークを訪問しました。

 ハノーバーでは、私が卒業したダートマス大学タック経営大学院を訪問しました。同校は昨年、英エコノミスト誌がビジネススクールでの世界ナンバー1にランク付けしました。私が卒業した26年前より、規模も大きくなり、施設も充実していました。ただ、授業料も年間6万ドル程度に値上がりし、2年間を過ごすには経済的にも負担が少なくないようです。日本人の留学生たちと会食をしましたが、彼らが頑張っている様子にツアー参加の皆さんも、感心していました。また、ランチセッションでは、元大統領経済諮問委員会メンバーのスローター教授から講義を受け、米国経済、世界経済の状況について説明を受けました。こちらも非常に勉強になりました。初冬間近で紅葉の真っ盛りのニューハンプシャーで充実した数日を過ごせました。

 その後、コネティカット州ハートフォードでマーク・トゥエイン記念館を訪ねた後、ニューヨークに移動しました。私もニューヨーク訪問は前回のツアー以来5年ぶりだったのですが、観光客の多さと街の発展ぶりに驚きました。ニューヨークには84年からの留学時以来、10回以上訪れていますが、今回はその発展ぶりに驚かされたのです。

 最初に訪れた頃は、地下鉄は見かけるすべての車両が、ペイントで大きく落書きされていました。どうやってそれができるのかを不思議に思ったほどです。90年代、2000年代に訪れたときにも、7番街よりも西に行ってはいけない、ハーレムやブルックリンも行かないほうがいい、ウエストサイドの一部にも危険なところがある、など行くたびに近寄ってはいけない地域についての注意を受けるのが通常でした。

 しかし、今回は、現地のガイドさんからは、「危険なところはもちろんないとは言えないが、すごく減っている」という説明を受けました。そして、ウエストサイドなどの再開発施設を見学しました。食肉工場跡やクッキー工場の跡地がきれいなマーケットに変わり、人気のアイスクリーム屋さんなどのおしゃれな店が入って、観光客や地元のお客さんでにぎわっていました。また、ハイラインという高架鉄道だったところも、きれいな公園に変わっており、こちらも多くの観光客を集めていました。さらには、ウエストサイドでは、ハドソン川沿いの桟橋を緑道にすることで、地元の人たちのジョギングや散歩道に変身し、周囲のマンションの価格も上昇したそうです。

 私たちが宿泊したホテルのある42丁目あたりも、以前は風俗街で、あまり近寄らないほうが良いと言われた地域でしたが、近くのタイムズスクエアを歩行者天国にし、ディズニーのシアターなどを誘致することで観光地に変身し、とてもたくさんの人たちでにぎわっていました。今は、ブルックリンの一部も観光地化しており、今度はハーレムの再開発を行うそうです。もちろん、地下鉄も落書きなどなく、安全な乗り物になっています。

 これらの再開発計画の一部は市民団体からの発案によるものだそうです。日本でも見習えるところも大いにあると思います。(写真は私のフェイスブックページにあるのでご覧ください。)

 前回訪問した2007年には、ユーロ高もあり欧州の観光客が多かったのですが、今回は中国人観光客が目立ったのも経済の流れを感じたことです。