スマホが二極化をさらに進める

2014.05.13発行 Vol.222
 電車に乗っていると、多くの人がスマホを使っている光景に出くわします。私も電車の中で、スマホからメールを返信するだけでなく、最新ニュースをチェックしたり、株価や為替相場を見たりしています。

 ただ、残念ながら、電車の中でよく見かけるのは、ゲームやLINEなどを行っている人たちです。私は、その光景を見かけるたびに、二極化がさらに進むのではないかととても危惧しています。若い人だけでなく、ビジネスマンでもゲームをしているのを毎日のように見かけます。私は別に、ゲームをするなと言っているのではありませんが、ゲームをしても、そのビジネスマンのスキルも知識もなにも向上しないことを危惧しているのです。

 スマホのない時代なら、その時間は、雑誌や本、新聞を読む時間に使っていた人も多かったはずです。ものを読まなくても電車の吊り広告や車窓の光景を見ていて、わずかでも知識や情報を得ることができました。あるいは眠るなどしていたかもしれません。それでも、体力だけでも回復させられたはずです。車内でゲームをしていては何も得られません。気分転換にやっているのかもしれませんが、のめり込んでいては逆効果でしょうし、たいしたことのないビジネスマンの気分転換など、社会はなにも評価しないのです。

 もちろん、ゲームをせずに、スマホや本、新聞から情報を得ている人も少なくありません。そうすると、ゲームをしている人と情報を得ている人では、同じようにスマホを使っている人の間でも、ますます情報量や能力差が広がる一方です。十分な収入や社会的評価がある人がゲームをやっているのなら別に文句を言いませんが、そうでない人、とくにビジネスマンがそんなことをやっているのはとても残念なことです。

 この先、日本経済が高齢化や財政事情からますます厳しくなるのは必至で、その中で食べていけなくなるのは、車中のわずかな時間にスマホや書物から情報を得ている人たちかゲームをしている人たちかは明らかでしょう。そして、財政事情や経済情勢がますます悪化する中、ゲームでうつつをぬかしている人たちが、頑張っている人たちのさらなる負担となっていくのです。経済が豊かな時代なら、そのような人たちも何とか社会は支えられましたが、今後はそれが厳しくなるのは明らかです。

 LINEなどのSNSも二極化を促すと私は考えています。上位層は上位層とだけ、下位層は下位層とだけで情報交換をしていることが多く、このことが社会を固定化しやすいからです。さらには、SNSでのやりとりにかなりの時間を費やしてしまうことも問題です。

 ドラッカーが言うまでもなく、知恵の時代がますます進む中、ビジネスマンには知恵を高める努力が仕事の充実や自身の経済的な豊かさを高めるのに必要なことは言うまでもありません。スマホを情報ツール、それも自分の知恵を高めるツールとして使うか、単なる時間つぶしに使うかは個人次第ですが、ゲームをやっている人にはそれが分からないのがとても残念です。