サッカーワールドカップと『関心』

2018.06.26発行 Vol.321
サッカーのワールドカップが開幕し、日本チームは苦戦を予想された初戦コロンビア戦に快勝し、私のようなサッカーファンでない人まで含めて日本中が大いに盛り上がりました。また2戦目のセネガル戦は引き分けと、こちらも強敵相手に大健闘し、決勝トーナメント出場にも希望が持てる状態です。
そうした中、先週土曜日に「サタデープラス」という土曜日朝の番組(TBS系列)に出演しました。その番組も話題がワールドカップ一色でしたが、私の役割は、今回のワールドカップではスポンサーに中国企業が多いことと、セネガルの選手が決勝トーナメントに進出した際のボーナスのお話を解説するというものでした。

ちなみに、中国企業のスポンサーは前回のリオデジャネイロ大会のときには1社だけだったのが、今回は7社。中国はワールドカップには出場していないにも関わらずです。その背景には、中国企業が世界的に自社の知名度を上げたいということとともに、中国の国家戦略もあると私は考えています。経済力を強め、一帯一路政策の下で世界戦略を進める中国にとって、自国企業の名を世界に知らしめすのは、中国の国家戦略上も大きな意味があるからです。
また、中国企業が「中国語」での看板やインタビューボードを出しているのは、「中国」を印象付けたいこととともに、サッカー熱が高まっている自国向けに「自社は世界ブランド」であるということをアピールしたいからだと考えられます。

セネガルについてもコメントしなければならなかったので、事前にその国について少し調べたのですが、ひとりあたりのGDPは1000ドル以下で、かなり貧しい国だと言えます。日本との輸出入額も数十億円程度で、関わりも多くありません。(ちなみに、主な産業は農業と漁業で、日本もタコやイカを輸入しています。日本からの進出企業は15社とのことです。)
そんな中で、セネガルでは決勝トーナメントに出場すれば、選手一人当たり300万円が支給されるとのことでした。日本の貨幣価値で考えると1億2千万円程度と推定され、これはセネガルの人にはとても大きな額です。

番組に出ていて思ったのですが、とくにセネガルについては、今回日本が対戦することがなければ、「パリ・ダカールラリー」で首都の名前を聞いたことがあるくらいの国ではなかったかと思います。それが、日本が初戦に勝ったということもありますが、サッカー熱の盛り上がりで、多くのマスコミが取材をし、私も少し調べて、その国のことを知ることができました。いずれにしても、どんなきっかけでも「関心を持つ」ということが大切で、それにより、今まで知らなかったことを知ることができるのはとてもうれしいことだと思いました。

【小宮 一慶】