もったいない

2013.04.23発行 Vol.197
 今年も何社かの新入社員さんの前でお話をさせてもらいました。また、当社でもお客さまの新入社員さんに集まっていただいた研修を行っており、そこでも講演をさせてもらいました。

 新入社員さんの中には、立派な学校を出て、第一志望の良い会社に入った方もいるでしょうし、そうでない人も少なからずいると思います。現実の社会とはそのようなもので、自分の思い通りにならないことはたくさんあるものです。しかし、その現実を素直に受け止め、前向きに目の前のことを精一杯やろうとすることが大切です。

 新入社員のレベルの差というものは、実はそれほど大きなものではなく、これからの努力次第ではいくらでも逆転できるものです。むしろ、良い学校を出て、良い会社に入っても、それで伸びが止まる人も少なくありません。

 しかし、どんな状況に置かれていても、いずれにしても努力することが大切です。新入社員さんたちは、だいたいこれから40年間働きます。あるいはもっと働いて50年くらい働く人も出てくるでしょう。そうしたときに、どれくらい毎年伸びるかが実はとても大切なのです。

 計算すると分かりますが、年に1%ずつ40年間伸びるとすると、最初に「1」でスタートした人は、40年後に約1.5になります。(1.01の40乗です。)一方、毎年20%ずつ伸びる人は、元が同じ「1」でも、なんと約1500になります。(1.2の40乗)。実に1000倍もの違いになるのです。

 新入社員研修で、お話をさせてもらっていると、あまり人の話を熱心に聞かない人もいます。それまであまり人の話を聞くのに慣れない人もいるのでしょう。中には、ずっと眠っている人もいます。勉強するということに慣れていないのだと思います。しかし、人の話を聞かなければ、人の知恵を活かせず、自分が大きくならないのも事実です。いろんな人の話を聞く機会があるのに、それを聞かないのはとてももったいないことだと思います。

 新入社員の間は、せいぜい実力差は「0.8」と「1.2」位の差ではないでしょうか。その彼らが、20%ずつ伸びるか、はたまた1%でしか伸びないか、あるいは0%で現状のままかというのは、本人次第だと思います。そのためには、まず聞くという姿勢を持つことが大切です。

 聞くということは実はそれほど簡単なことではありません。東洋哲学の大家である安岡正篤先生は、「話しを聞く態度を見れば、その人物の練れ具合が分かる」と本に書いておられましたが、聞くということは相手を受け入れる素直さが必要ですから、なかなかに難しいことなのです。

 これは新入社員に限ったことではありませんね。私たちも、聞く態度ということに気をつけなければならないことは言うまでもありません。人の知恵を活かさなければ自分は大きくなれないですからね。