ちょっとしたきっかけ

2015.08.25発行 Vol.253
 当社では、創業以来、毎朝9時から9時15分までの15分間は、環境整備を行っています。各人、会社のそれぞれの場所をお掃除したり、片づけをします。その時間に私が事務所にいる場合には男性トイレの掃除を担当します。そのことに関して、先日、ちょっとうれしいことがありました。雑巾でトイレ掃除をするのですが、トイレ用の雑巾は結構長い間使っていてかなり古くなっていました。女性スタッフのひとりがその雑巾を新しいものに取り換えてくれたのです。その際に、トイレ用と分かるように「W」と「C」の小さくてきれいなプラスチック製のロゴを縫い付けてくれてありました。とても可愛く、それからトイレ掃除がこれまで以上に楽しくなりました。人というのは、ちょっとしたことでやる気が出るものです。

 きっかけと言うと、褒められるということが、きっかけになることも少なくありません。ある社長さんが、「従業員が褒められる機会を作ることが大切」とおっしゃっていたのを思い出しました。社長や経営幹部というのは、いつも評価にさらされています。お客さまから褒められたり、逆に厳しく叱責されたりすることも少なくなく、いずれにしても業績でいつも正確に評価されています。従業員さんの場合も、お客さまや周りの働く仲間から、褒められたり、お叱りを受けることはもちろんありますが、経営者ほどはっきりとしないことも多いと思います。

 とくに、褒められる機会はそれほど多くないでしょう。そこで、「褒められる機会」をわざわざ作るというのです。この社長の会社の場合には、会社の周りを毎朝、何十年間も掃除しており、ご近所の方から「ご苦労さま」などとねぎらわれることも少なくないと言います。また、通学路を掃除していることもあり、子どもたちからも挨拶され、以前、表彰されたこともあるそうです。

 会社によっては、従業員さん同士が「サンキューメモ」のようなものを作り、食堂などに掲示しているところもあります。いずれにしても、普段行っていることに対して、褒められることが大きなモチベーションアップにつながることは間違いありません。

 トイレ掃除用の雑巾が新しくなったことは、ちょっとしたことなのですが、人生において、ちょっとしたことがきっかけとなってその後の人生が変わることもあるかもしれません。先生に褒められて勉強をやる気になったとか、ある本を読んだことやある人と知り合ったことがきっかけで自分の進む道が変わったという方もいらっしゃると思います。お互いにちょっとしたことも大切にしたいですね。