『道をひらく』を読むということ

2018.10.09発行 Vol.328
私は、自宅にいるときには、寝る前に日記を書いて松下幸之助さんの『道をひらく』を読んで寝ることにしています。もう25年以上、この習慣を続けています。いまでは、そうしないと落ち着いて眠りにつくこともできません。
『道をひらく』は松下さんが雑誌「PHP」に寄稿した短い文章が121載っていますが、私は、そのうちの2つか3つを読んで寝るのです。そもそもその本を読み始めたきっかけは、銀行員を辞めて小さなコンサル会社に転職したことでした。生きる指針が欲しかったからでしょう。
その後、自分で経営コンサルティングの会社を作って、コンサルタントとして独り立ちしていくときには、もちろんお客さまに経営のアドバイスをしなければなりませんから、さらにしっかりと『道をひらく』を読むようになりました。おかげさまで多くの会社のアドバイスをさせてもらっていますが、お客さまにアドバイスするときや講演するときに、『道をひらく』の言葉が、私の口から出てくることも少なくありません。もう100回以上、同じ本を読み続けているおかげです。

この本を読んでも、経営のコツのような話はほとんど出てきません。生き方の指針だけです。しかし、稲盛和夫さんもおっしゃるように「ビジネスも人生の一部」でしかなく、人生をうまく充実させて生きることがビジネスで成功する一番の近道であり、正攻法なのです。そのためには、成功するための正しい考え方を身につけることがとても大切だと思います。
毎日『道をひらく』を読んでいることで、生き方のバックボーンができたこととともに、とてもいいことがいくつもありました。ひとつは、この本が500万部を突破した時に、非売品の特別バージョンを出版社が作ったのですが、編集者さんから「日本で一番この本を読んでいる小宮さんに」ということでその赤い表紙の特別バージョンをいただいたことがありました。とてもうれしかったです。
さらには、『道をひらく』を毎日読んでいるということを本や連載で書き、講演でも話すので、松下幸之助さんに関しての雑誌などからの取材があるときには、よく声をかけてもらえます。先日も「プレジデント」から『道をひらく』に関しての取材がありました。『道をひらく』が読者アンケートで、一番という評価を得たそうです。

私自身も、松下幸之助さんに関連する本をこれまでに2冊出しています。多くの方に松下さんの考え方を知っていただき、成功していただきたいからです。私としては、『道をひらく』をもう25年以上、読み続けているのですが、本当に長い間読んでいて良かったと思っていますし、この本にとても感謝しています。おそらく、死ぬまで読み続けると思います。

【小宮 一慶】