「振り返りと画竜点睛を欠く」

2020.06.09発行 Vol.368
「画竜点睛を欠く」という言葉は、最後のツメを怠ることを戒めたものです。
当社では、通年で、後継者ゼミナールを行っています。今年は、残念ながら思った人数が集まらなく休校となっていますが、昨年度は、定員いっぱいの10名が一年間、このゼミに通ってくれました。4月開講で、通常は毎月3日間、当社のセミナールームに集まり、私や多くの講師からの講義を受けたり演習を行ったりします。他に、妙高高原、札幌、大阪、そして最後はグアムでの合宿を行います。札幌とグアムでの合宿研修は、現役の経営者の方たちとの合同での研修となります。一年間、月に最低3日は一緒にいるわけですから、同期の皆さんはとても仲良くなりますし、経営者との合同合宿の際には、先輩経営者から多くのことを学び、直接に指導を受けに行くゼミ生もいます。
多くのことを学ぶので、毎月、必ず、「振り返り」を提出してもらっています。A4一枚ほどのレポートですが、それに社長または上司の人がコメントして、当社に提出してもらい、私と当該月に担当したコンサルタントがコメントしてお返しするということを繰り返しています。学び放し、やり放しは、もったいないからです。振り返ることが大切です。その振り返りは一冊の冊子になっているので、卒業後もきっと役に立つと考えています。実際、「社長になってその振り返りメモを見直したら、本当の意味が分かった」という卒業生もいます。
これは、別に後継ゼミだけでなく、どんなことでも、振り返り、反省するということが大切なことは言うまでもありません。
後継ゼミ生たちは、2月に卒業するのですが、私が注意して見ているのは、卒業月の分の「振り返り」が提出されるかどうかということです。卒業月までは、当社の事務局から催促することもありますが、ほぼ全員が毎月必ず「振り返り」を提出してくれます。しかし、卒業してしまうと、気が緩むのか、忘れるのか、最後の月の振り返りを提出しない人が意外と少なくないのです。画竜点睛を欠くとは、まさにこのことです。そして、こちらからは、卒業生の心構えを試すためにも、わざと催促をしないのですが、残念ながら、今年2月の卒業生の中にも振り返りを提出していない人も少なくありません。今のところ、提出したのは10名中2名だけです。
新型コロナウイルスの影響で、振り返りどころでないと言えばそれまでですが、振り返りだけでなく、他の仕事もそのようにやっているのではないかと、少し心配になります。修了証をグアムの合宿の最後に、合宿参加の皆さん(約50名)の前でお渡しするのですが、それに私は、いつも鉛筆で「仮」を修了証の字の前に書き入れます。「仮修了証」なのです。そして、「仮でないと自分自身で思えるようになったら、その仮の字を消してください」と話します。彼らの修了証から、早く「仮」の字が消える時が来ることを願うばかりですが、残念ながら当分は難しそうですね。
【小宮 一慶】
メールマガジン申込メールマガジン変更・停止